ここまで、睡眠のもつ意味と大切さ、そして睡眠の乱れによって生じるさまざまな弊害について述べてきました。
しかし、解決の方法は比較的単純です。
睡眠に必要な3つの要素を満たし、「良い眠り」を習慣づければ良いわけです。
1
夜間基本睡眠時間10時間を確保する
2
夜間睡眠中に何度も目が覚めない眠り
3
睡眠時間帯(夜19時~朝7時までの間)に眠りをとる
一方で、この3つはお互い関連しており、簡単ではない部分もあるのも事実です。
特に、②については、個人の素質にも大いに関係していますが、入眠時刻と起床時刻を安定させることで、問題を軽減できるようです。
また、ときには、夜驚症・夢中遊行・夢魔、などの睡眠時随伴症と呼ばれる睡眠問題がよい眠りの邪魔をすることもありますので、朝起きがうまくできないなどの問題が見られるときは治療することをおすすめします。
さらに、アトピー性皮膚炎やアレルギーを持つ子どもは、そもそも眠りづらいこともわかっていますので、あまりに睡眠状態が悪い場合は夜間ぐっすり眠れるようになるためにできることを、主治医の先生に相談してみるのもいいかもしれませんね。
朝起きが苦手で午前中機嫌が悪い、イライラしている、友達とのトラブルが多い、よく泣いている、癇癪(かんしゃく)が多い、落ち着かない、など気になることが多い場合は、日常生活の有り様に目を向けてみてください。
このような症状を持つ子どもは、生活背景のなかに睡眠と覚醒のリズムの乱れや、睡眠不足の毎日が見えてくることが稀ではありません。
日頃の生活リズム(睡眠覚醒リズム)を観察することで、子どもたちの「よりよい」生活リズムを守ることができ、スムーズな発達を促し、学習意欲の低下や不登校状態を予防することができるのです。
このHP上に、子どもの睡眠リズムを把握するためのシート「睡眠ログ」をつけておきます。
一度、実際の睡眠時刻を記録してみてください。まずは、子どもの状態を把握することから始めましょう。
1
量
2
質
3
時間帯
3
昼寝