第72回 日本栄養改善学会学術総会 ポスター発表
保育所における食事は、さまざまな課題を抱えています。
とくに口腔内の発達が未熟な乳幼児にとっては誤嚥や窒息という深刻な事故につながることもあるため、細心の注意を必要とします。
調理、検食という日々の業務の流れの中で、あらためて意識を高める取り組みを進めたいと考え、検食簿の見直しを行い、職員の意識の変化を考察し、その効果について報告しました。
| <発表> | 第72回日本栄養改善学会学術総会 |
| <形式> | ポスター発表 |
| <タイトル> | 保育所における食事中の誤嚥・窒息事故予防~検食に注目して~ |
【キーワード】
♯給食 ♯検食 ♯検食簿 ♯乳幼児の誤嚥 ♯乳幼児の窒息事故
【発表の概要】
1. 目的と背景
- 乳幼児の誤嚥・窒息事故に対する調理職員と保育士の意識を高め、予防の一助となる方法として検食簿の改訂と「食べる」研修を実施し、意識の変化を調べる。
2. 方法
- 2023年4月 検食簿を変更
- 2023年6月~8月 「食べる」研修を実施
- 2024年5月 アンケート調査
2-① 検食簿の変更
- 乳幼児の窒息の要因として、「食品」と「食品以外」(児の口腔機能・職員の認識や介助方法など)があることを考慮し、検食簿の確認項目を変更
2-② 食べる研修
- 乳幼児の口腔機能の発達を理解するため、施設長、主任、管理栄養士・栄養士を対象に社内研修を実施。
- 実際に「くし形に切ったりんご」「生ですりおろしたりんご」「煮たりんご」を乳幼児の口(歯の萌出、獲得している口の動きなど)をイメージして食べてみる。
2-③ アンケート調査
- GoogleFormsを使って全32問、無記名のWEB調査を実施
- 101施設から202名が回答。
※アンケート結果の表の縦軸(%)は、全回答者(192名)のうち、それぞれの項目を回答した人の割合を示す。
3. 結果
- 2023年4月以降に検食簿を変更し、確認項目の詳細を明記したことにより窒息事故の一番の要因となる「食品の形状」を意識する職員が増えた。
- 2023年6月以降の「食べる」研修により、「食品の形状」を意識する割合がさらに増した。
- 勤続年数の長い職員は、検食簿の変更のみでは理解が進まないケースも見られたが、実体験を伴う「食べる」研修後は誤嚥・窒息事故予防を意識して検食するような変化がみられた。
4. 考察
- 検食簿の内容の明確化に加えて、実際に食べて体験する研修を行うことで、職員の適切な「食品の形状」への理解が深まり、「検食簿」をコミュニケーションツールとして活用していることが示唆された。